しりとーりー

一人でしりとりをして出た言葉を題材に絵を描く。ついでにお話も書く。

<しりとり1-7>ぬいぐるみ

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「賢いかはともかく、ニグマトゥリンはとてもかわいいですよ」

オノプコ君は言いました。

するとカルピン博士は対抗心をかき立てられたように言いました。
「かわいいと言うなら、私のスヌープチェリも負けてはいない」
スヌープチェリとは博士の机の上に飾ってある、古びたぬいぐるみでした。
「スヌープチェリって、あの汚いぬいぐるみですか」
オノプコ君はその形状を思い出してみましたが、薄汚れ、古びたそれは彼にとってはかわいいとは思えませんでした。
「汚いとは失礼だな。それに、かわいいかどうかは非論理的な主観の問題に過ぎない。大事にしていれば石ころすらかわいくなってくるものだ」
博士はいささか腹を立てた様子でしたが、オノプコ君は人の気持ちを汲み取る能力が少々乏しかったため気にした様子もありませんでした。
「そうですか。ところで博士、こんな時間に外出なんてめずらしいですね」
「研究所に食べ物が何もなかったので、外食しようと思ってね」
「実のところ僕も空腹だったんです。ご一緒してもいいですか」
「だが、その犬は連れて行けないぞ」
カルピン博士はオノプコ君の連れている犬に目をやりながら言いました。
「大丈夫ですよ」
そう言ってオノプコ君はニグマトゥリンのリードを手放しました。するとニグマトゥリンは元気よく走り出し、すぐに見えなくなってしまいました。
「逃げてしまった」
博士はびっくりして言いました。
「ニグマトゥリンは賢いので、リードをはなすと自動的に家に帰るんです。なにしろ賢いですからね」
オノプコ君は自信満々で言い、博士も渋々と認めました。
「それは確かに実際賢いと認めざるを得ない」

 

 

おまけ>FALLOUT2より<伝説(?)のアルビノデスクロー>

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